断熱リフォームや住まいのお困りごとを、まるっと解決!

「リフォームしたら子どもの体調が悪くなった」

「最近、急に鼻炎になった。リフォームして住環境が変わったことと何か関係があるのだろうか…」

家をリフォームした直後に体調に異変が生じたという人は意外と多くい ます。

原因は、リフォームで使用した建材や建具などに含まれるホルムアルデヒドに代表される人体に悪影響を与える有害物質であることが多いですが、一方で過度に建物の断熱性を高めたことが原因となるケースもあります。

今回は、断熱リフォームによって生じた健康被害について取材しました。

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東京都練馬区に在住の高浦健吾さん(仮名・63歳)。今から3年前に、 当時築35年になるご自宅のリフォームを行いました。

きっかけはキッチンまわりの劣化でした。

コンロの油汚れは拭いても落ちず、シンクもところどころへこみがあり、かなり傷んでいました。

奥様から

「35年も使い続けたんだし、そろそろ新しいものに取り換えた方がいいんじゃないかしら」

と相談を受け、それなら思い切って他のところもまとめてリフォームしてしまおうということになったそうです。

早速、地元のリフォーム会社に相談したところ、キッチンの他に浴室とトイレを最新式のものに交換、さらに

「夏と冬はエアコンをつけっぱなし なので光熱費が高くて困る」

という話を踏まえ、家の断熱もすることになりました。

すぐに具体的なプランも決まり、2カ月後に工事は完了しました。

35年間使い続けたキッチンやお風呂、トイレなどがまとめて最新式のものに変わり、高浦さん夫婦は「家を買ったときの気分で新生活を楽しめる」ととても喜んだそうです。

しかし、工事完了からさらに2カ月後、奥様の体調に異変が生じました。

7月のことでした。

それまではとても健康で大きな病気もしたことがなかっ たそうなのですが、突然、鼻づまりが続くようになったというのです。

市販の風邪薬を飲んでも効き目がなかったため、病院に行って診察を受けたところ、「アレルギー性鼻炎」と診断されました。

「今までアレルギーなんて出たことがなかったのでとても驚きました。原因は何かと尋ねたら、『カビやダニかもしれませんが、はっきりしたことは分 かりません』ということでした」

家に帰ると奥様はすぐに家中をくまなく点検しました。

すると、リビング のソファの裏やキッチンの収納棚の下の一部にカビが生えているのを発 見しました。

「35年間、カビが生えたことなどほとんどなかったのにどうして…」

奥様は不思議に思ったそうですが、報告を受けた高浦さんがネットで調べたことで、すぐに原因が特定されました。

それは「断熱化に伴って増えた湿気」でした。

リフォーム前の高浦さん宅は、壁が薄く、家のあちらこちらにあった目に見えない程度の細い隙間から外の空気が流れ込んでいました。

普通に聞くと「欠陥」のように思うかもしれませんが、昔の家はこれが自然換気の役割を果たし、家の中の湿度を自動的に適切な状態に調整してくれていました。

しかし、今回のリフォーム工事で家全体を断熱化したことで、それまであった隙間がすべてふさがれてしまい、自然の換気ができなくなってしまいました。

24時間換気で湿度調整できるようにしてはあったものの、どうやらそれだけでは不十分だったようで、梅雨の時期になって一気に屋内の湿度が上がってしまったようでした。

結果、カビが繁殖するのに最高の環境ができあがってしまい、それが原因で奥様はアレルギー性鼻炎を発症してしまいました。

高浦さんはすぐに施工を頼んだリフォーム会社に相談。

新たに24時間換気を追加し、さらにカビが生えた場所を中心に防カビのコーティングを行いました。

奥様も余裕のある時はできるだけ窓を開けて家の換気を行うようにし、家の中に湿気が溜まらないように注意することにしました。

「しばらくの間、温度計で家の中の湿気をチェックする生活を続けましたひと月ほどすると、妻の鼻炎も改善しました。まさか断熱性を上げたこと で健康被害に遭うなんて思ってもみませんでした」

何事も行き過ぎは禁物です。

家の断熱も、省エネのことばかりに気を回し過ぎず換気とのバランスをよく考えた上で行わないと、今回のケース のように家の中が高湿状態になってしまうことがあるので注意が必要です。

◆『住生活新聞』2021年5月号(059号)より

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